
この記事では「硝子の塔の殺人」の著者でもある知念実希人さんの購入者限定オンライントークショーに参加した感想をお届けします。
主に医療ミステリー系の作品を中心に書かれている知念実希人さんが初挑戦した本格ミステリー「硝子の塔の殺人」の執筆の舞台裏トークや質疑応答についてまとめてみましたので、この後もしっかり読み進めてくださいね。
硝子の塔の殺人の執筆の舞台裏について
「硝子の塔の殺人」は総ページ500ページ超えの大作でかなり読み応えがありましたね。本編は「硝子の塔」というミステリーの定番「クローズドサークル」で起こる連続殺人事件を描いたストーリーです。
知念先生曰く「普段使う手帳ではなくA4サイズの大きな手帳に設定や時間経過などを書き込み作り上げた作品」とのこと。
また硝子の塔の設計図はミステリーフリークの現役建築士の方に依頼して作ってもらったそうです。この建築士の方はご自身で出版もされているそうです。
「硝子の塔の殺人」の構想はなんと20年前、ラストシーンの内容を思いついたところが原点になっています。大学生の頃のアイデアが長い年月をかけて作品になるというのは興味深いですよね。
本作には知念実希人さんが尊敬するミステリー界の大御所 綾辻行人さんのオマージュも随所に散りばめられています。島田荘司さんや綾辻行人さんなど業界の名だたる方の推薦コメントについては感激よりも畏れ多いという気持ちの方が強いと仰っていました。
それでも自分が憧れていた人から推薦文を書いてもらえるって、すごく幸せな事ですよね。
購入者からの質問と回答
※リアルタイムで書いたので聞き逃したり、誤っている部分があるかもしれませんので予めご了承下さい。
Q.本の表紙カバーの要望について
A.装丁は本の顔。特に直しはなかった。雪山に立つ硝子の塔の神秘的、幻想的な雰囲気を出して欲しいという要望を出した。想像以上の素晴らしい表紙でほぼ完璧という評価でした。
Q.硝子の塔の設計図を完成させるまでにどれくらいの時間がかかったか?
A.最終的には2ヶ月ぐらいかかった。
Q.作品の舞台である蝶ヶ岳には登ったことはありますか?
近くに行ったことはあるが登ったことはない。
Q.〇〇の塔の殺人で続編はありますか?
A.いい作品になると思ったら可能性はある。今作の終わり方が終わり方なので続編は難しいかもしれない。
Q.今までの作品で書き上げるのに苦労した作品は?
死神シリーズ2作品。3つの短編の時間経過を複合的に合わせなければいけなくてかなり大変だった。
Q.天久鷹央シリーズはあとどれくらい続きますか?
ライフワークなので可能な限り年に1作は書きたい。読者に愛されるシリーズにしたい。
Q.作品の登場人物は芸能人など実在の人物をイメージすることはあるか?
ない。基本的には自分の中のイメージで作っている。
Q.人物の名前はどのように考えているか?
A.名字の一覧表のような本があって、特徴的な名字をピックアップし、キャラクターに合った名前を決めている。「碧月夜」の名前は綺麗な名前で気に入っている。
Q.知念先生の執筆環境を教えて下さい
A.会員制のワークスペースで作業している。自宅だとダラダラしてしまうので出勤感覚でできるワークスペースで書いている。ソフトはワードを横書きで使用している。パソコンはVAIOを使用。スマホは持たない。作業時の持ち物はパソコンとストップウォッチぐらい。
Q.一番好きな本格ミステリー作品は?
A.アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」
Q.一番好きな小説は?
A.「二重螺旋の悪魔」
Q.最強のミステリー小説は?
A.ヒラリークイーンの「Yの悲劇」、アガサ・クリスティの「アクロイド殺人事件」
Q.知念先生の時間管理術を教えて下さい
医師の仕事は時間が決まっている。小説は書き始めが一番大変で無駄な時間、やる気を出す時間をなくすためのルーチンワーク化を意識している。
ケータイをロッカーにしまって、コーヒー1杯飲んでストップウォッチを押したらすぐに書き始める。休むときは休んでメリハリをつけて自分をコントロールしている。
Q.医師と小説家どちらかを選ばなければ行けない場合、どちらを選ぶか?
医師は基本的な治療法が決まっているので誰が治療を担当しても同じだが、小説は自分にしか書けない作品があるので小説家を取ると思う。
まとめ
ここまで「硝子の塔の殺人」知念実希人さんの購入者限定オンライントークショーの様子をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?最後にここまでの内容をまとめておきます。
・構想は20年前にラストシーンの内容を思いついたところから
・表紙カバーはイラストレーターの青依青(あおいあお)さんに依頼。想像以上の素晴らしい出来で直しは特になかった。
・硝子の塔の殺人の設定や時間経過などは普段使う手帳ではなくA4サイズの手帳に書き込んでいた。
・硝子の塔の設計図は現役建築士の方に依頼して作ってもらった
・推薦文については「感激」よりも「畏れ多い」という印象が強かった
最後までお読み頂きありがとうございました!