本屋大賞2021年はいつ発表される?大賞予想とノミネート10作品はこれだ!

本屋大賞2021年がいつ発表されるのか、読書ファンならずとも気になるところですよね。この記事では本屋大賞2021年の発表日やノミネート作品、本屋大賞の独自予想について解説していきます。

本屋大賞は全国の書店員さんが「いちばん!売りたい本」を選ぶという趣旨で毎年開催されているイベントになります。本のプロフェッショナルであり、一読者でもある書店員さんはどんな本を選んだのでしょうか。

本屋大賞2021年の発表はいつ?選考基準について調べてみた

本屋大賞2021年の発表は4月14日水曜日になります。対象となる本は(2019年12月1日~2020年11月30日)までに刊行された日本の小説です。

日本全国の書店で働く書店員さんが「読んでみて面白かった!」「お客様にも薦めたい!」と思った本に対して、まず一次投票が行われます。投票権は書店員さんだけが持っています。

一次投票は(2020年11月1日~2021年1月4日)の期間で行われ、上位10位までに絞り込まれノミネート作品が決定されます。

二次投票ではノミネートされた10冊の本をすべて読み、全ての本の感想コメントをつけて上位3位までを選んで投票することになります。

投票順位により1位は3点、2位は2点、3位は1.5点が与えられます。合計得点が最も高い作品が2021年の本屋大賞になります。昨年2020年は凪良ゆうさんの「流浪の月」が本屋大賞となった事はまだ記憶に新しいです。

私だったら期間内に10冊全ての本を読んで感想コメントを書くのはかなり厳しいと感じますが、本が大好きな書店員さんなら、忙しい業務の中でもしっかりとこなして行けるんでしょうね。本当に尊敬します。


本屋大賞2021年ノミネート10作品について

まずは一次投票の結果、ノミネートされた10作品を紹介していきます。

■伊吹有喜『犬がいた季節』(双葉社)

『犬がいた季節』は、『四十九日のレシピ』や『カンパニー』などの代表作を持つ小説家・伊吹有喜ゆきによる長編小説です。

本作は、コーシローに会いに母校に帰ってくる卒業生たちの視点と、すこしずつ年老いていくコーシロー自身のふたつの視点を通して進んでいきます。

犬を飼っていたことがある人、犬好きな人にとっては手放しでおすすめするのはもちろん、あたたかい気持ちになれる王道の青春小説を読みたい方にはぜひ手に取っていただきたい1冊です。

■青山美智子『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)

『お探し物は図書室まで』は、『木曜日にはココアを』などのベストセラーのほか、『私が恋愛できない理由』や『あなたのことはそれほど』といった数々のドラマ作品のノベライズを手がけてきたことでも知られる小説家・青山美智子による連作短編小説です。

ドラマの主人公ではなく、“エキストラ”としてほとんど注目もされない人々の姿を描きたいという青山美智子。そのやさしい視点が端々に感じられる、読後、つい町の図書館や図書室に足を運びたくなること間違いなしの1冊です。

■宇佐見りん『推し、燃ゆ』(河出書房新社)

『推し、燃ゆ』は、2019年に『かか』で第56回文藝賞、第33回三島由紀夫賞を受賞しデビューした小説家・宇佐見りんによる小説です。

本作は2020年の第164回芥川賞も受賞し、宇佐見は綿矢りさ、金原ひとみに次ぐ史上3番目の若さの受賞となったことも大きな話題を呼びました。

“推し活”をテーマにしたというキャッチーさで注目を集め続けている本作ですが、それだけではなく、あかりという少女の社会性のなさからくる生きづらさ、そして自分自身や環境のままならなさを『推し、燃ゆ』は限りなくリアルに描きます。

夢中になったことのある“推し”がいる方だけでなく、あかりと同世代の方や自分自身のままならなさに悩んだことのある方には、ぜひ読んでほしい傑作です。

■加藤シゲアキ『オルタネート』(新潮社)

『オルタネート』は、アイドルグループ・NEWSのメンバーでもあり、2012年からは小説家としても活動している加藤シゲアキによる長編小説です。

本書は本屋大賞ノミネートのほか第42回吉川英治文学新人賞を受賞しており、第164回直木賞の候補作にも選ばれるなど、多方面から高く評価されています。

これまで加藤シゲアキ作品を一度でも読んだことがあったり、デビュー以来追ってきたという読者であれば、これまでの集大成の如く緻密に練り上げられた本作の高い完成度に驚かされるはず。王道の青春小説として、加藤の代表作になること間違いなしの1冊です。

■伊坂幸太郎『逆ソクラテス』(集英社)

『逆ソクラテス』は、『重力ピエロ』『ゴールデンスランバー』といった数々の代表作を持つ人気小説家・伊坂幸太郎による短編小説集です。2020年にデビュー20周年を迎えた伊坂は、多種多様なサスペンスやエンターテインメント小説で読者を楽しませ続けている、本屋大賞ノミネートの常連でもあります。

すこしひねくれた人間賛歌のような、読後感の爽やかな伊坂作品が好きな方は、間違いなくどっぷりとはまってしまうであろう1冊です。

■町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)

『52ヘルツのクジラたち』は、小説家・町田そのこによる、大分の小さな海辺の街を舞台にした長編小説です。

虐待やネグレクトという社会問題をテーマにしている本作には、読んでいて思わず目を覆いたくなってしまうような表現もあるかもしれません。

しかし、成人女性とひとりの少年が出会い成長していくという物語をファンタジーとしてではなく、直面するであろう現実的な諸問題も含めて、非常に真摯に描いています。

自分自身が傷ついたことをきっかけに他者を守りたいと思うやさしく切実な気持ちを描いた、必読の1冊です。

■深緑野分『この本を盗む者は』(KADOKAWA)

『この本を盗む者は』は、緻密なストーリー構成を特長とするミステリ作品を数多く手がけてきた小説家・深緑野分ふかみどりのわきによる長編小説です。

さまざまな世界がどれも不思議なリアリティと躍動感を持って迫ってくるのは、深緑野分の緻密かつダイナミックな文体あってこそ。極上の読書体験が味わえ、何冊もの本を読んだあとのような気分になれる1冊です。

■山本文緒『自転しながら公転する』(新潮社)

『自転しながら公転する』は、『恋愛中毒』『プラナリア』などの数々の代表作を持つベテラン作家・山本文緒による長編小説です。

タイトルの“自転しながら公転する”という言葉が表すとおり、ただ生きているだけでさまざまな振る舞いや役割を求められ続ける日常のしんどさを、本作は真正面から捉えています。都と同じような境遇で悩んでいる方や仕事や介護に疲れた方にこそ読んでほしい、共感度の高い1冊です。

■伊与原新『八月の銀の雪』(新潮社)

『八月の銀の雪』は、地球惑星物理学の研究者から作家へ異色の転身を遂げた、伊与原新いよはらしんによる短編小説集です。

本書に収録されている作品はどれも、科学との小さな出会いをひとつの起点に、人の心に希望が灯る瞬間を描いています。

ドラマチックなストーリーや魔法のような科学の話は一切登場しませんが、人が生きていく上で心の拠りどころにするささやかな宝物を知ることができるような、愛おしく繊細な作品集です。

■凪良ゆう『滅びの前のシャングリラ』(中央公論新社)

『滅びの前のシャングリラ』は、小説家・凪良ゆうによる連作短編集です。凪良は2020年に長編小説『流浪の月』で本屋大賞を受賞。2年連続のノミネートも、大きな話題となりました。

人類が滅亡する前に人はなにを思い、どう行動するかという、いうなれば王道のテーマを描く本作。荒廃し大きく姿を変えていく社会の様子に反し、作中でスポットライトが当てられるのは、ドラマチックな決断をした人々ではなく、うまくいかなかった日常の延長にあるささやかな変化です。

これまで『流浪の月』や『わたしの美しい庭』などの作品でも、人と人との関係性の美しい面とそうでない面を赤裸々かつ繊細に描いてきた凪良らしい、息苦しさのなかにも希望を感じさせるような作品集です。

どの作品も本屋大賞に選ばれてもおかしくない個性的で魅力的な作品ばかりですね。投票権を持つ書店員さんの心により響いた作品が最も大賞に近いと言えるのではないでしょうか。


本屋大賞2021年 気になる大賞を独自予想してみた

毎年開催される本屋大賞のジャンルは正統派の小説からミステリー、歴史小説、ホラーなど多岐にわたるジャンルの作品がノミネートされる事が多い印象です。

ただ、今年2021年は上位ノミネート10作品のジャンルにやや偏りがあるように見受けられます。現実に起こっている現代の社会問題、ありふれた日常を等身大で描いた作品など、どちらかというと多くの人が共感を覚える小説がノミネートされています。

私自身はノミネート作品をすべて読んでいないのですが、深緑野分さんの「この本を盗む者は」と町田その子さんの「52ヘルツのクジラたち」は読了しました。

審査員が書店員さんである事を鑑みて、個人的に「52ヘルツのクジラたち」が本屋大賞を取るのではないかと予想しています。

同じクジラという哺乳類なのに、世界で1頭だけ52ヘルツの鳴き声で鳴くクジラ。通常のクジラは10~40ヘルツで鳴き、仲間とコミュニケーションを取りますが、このクジラの鳴き声は誰にも届かない、何も届けられない。

人間社会でも虐待やネグレクトなどの社会問題が同じように起こっていて、助けの声を求めても誰にも届かず絶望してしまう事もあります。

だけど、ちょっとしたきっかけや出会いで同じような悩みを抱えている人に「自分と同じような苦しみから守ってあげたい」という優しい思いが生まれる。少なくとも私にはそんなメッセージがこの作品から伝わってきました。

多くの人にもこの本を手に取って読んで欲しいという願いも込めて「52ヘルツのクジラたち」に本屋大賞を取って欲しいです。


まとめ

ここまで本屋大賞2021年の発表日やノミネート作品、本屋大賞の予想について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。最後にここまでの内容をまとめておきます。

■本屋大賞2021年の発表は4月14日水曜日

■全国の書店員の一次投票で選ばれたノミネート10作品の中から大賞が選ばれる

■本屋大賞は町田その子さんの「52ヘルツのクジラたち」と独自予想

最後までお読み頂きありがとうございました。