魔法科高校の優等生第4話ネタバレ感想まとめ

この記事では魔法科高校の優等生 第4話「友達」のネタバレや感想、見どころについて解説していきます。

原作1巻が発売されてから10年。

アニメ1期、2期、劇場版、そして「追憶編」のアニメが今冬に放送決定ととどまるところを知らない人気作「魔法科高校の劣等生」ですが、長い物語にはお約束のスピンオフ作品(外伝)も、もちろんあります。

それが「魔法科高校の優等生」です。

本編アニメでは、最強の高校生、司波達也が主役となりますが、「魔法科高校の優等生」では、司波深雪、光井ほのか、北山雫の3人を中心とした物語となります。

”優等生”は本編と同じ物語ではあるのですが、主役たちが異なることから本編では伝えきれなかった事件、事故のエピソードが描かれて、なるほどと思わせるシーンが登場するのが特徴です。

本篇アニメが未鑑賞であってもストーリーは理解できますが、”優等生”は、事件の裏側から見た登場人物立ちの会話、行動が描かれることが多いので、魅力のすべてを満喫するには、本篇アニメをご覧になった後に楽しむのがオススメです。

今回は「魔法科高校の優等生」の第4話「友達」のあらすじ、見どころ、ネタバレなどをご案内したいと思います。

魔法科高校の優等生第4話「友達」のあらすじ要約


『新入生勧誘週間』が終わったある日の放課後。教室に残っていた、ほのかと雫が出かけようとしたところを「ほのか、雫。……ずいぶん急いでいるみたいだけど、なにか用事?」と、深雪が話しかけます。

すると雫はいつものごとく無表情なのですが、ほのかが焦った様子になり、しどろもどろな受け答えをして、思いっきり挙動不審になりながらも雫とともに教室を去ります。

そして廊下を駆けながら「ごめん、深雪。あなたと達也さんのためなの……」と、弁解を口にします。

深雪と達也には内緒のこと、つまり「少女探偵団」としての活動が理由でした。

そして深雪はその後、達也と廊下を歩いていました。

深雪は薄々感づいている、ほのかと雫の秘密の活動の内容を問えなかったことを謝罪します。

「なにか隠しているとは思うのですが、確証もなく問い詰めるのも。……でも、ふたりのことも心配で……」と、ふたりの身に対しての不安を、自分のすべてを委ねている最愛の兄である達也に伝えます。

すると達也は深雪の頭に手を乗せて、「ふたりは友達だろ? いずれきちんと話してくれるよ」と優しく諭します。

「友達……?」と、口にした深雪はその言葉の響きの余韻に浸っているように見えました。

原作小説でも本篇アニメでも深雪に高校入学以前からの親しい友人がいたとの情報はありません。

人外とも言える桁違いな魔法力を持ち、創造神が手ずからお造りになったと聞いても納得できてしまうような圧倒的な美貌、そして決して表沙汰にできない十師族の四葉家の次期当主継承権筆頭候補の身。

そういう立ち位置からふつうの交友関係は持てない深雪は、魔法科高校に入学するまで友人と言える親しい人物がいなかったんだろう、と容易に想像できます。

また、魔法教育に特化した中学校が存在していないことから、深雪は魔法をまったく使えない一般人たちと同じ教室で過ごしていたことになります。

ただでさえ魔法が使える人間は少数派なのに、自分以外に(達也を除く)魔法を使える生徒がほとんどいない学校であれば、魔法使い特有の悩みなども相談できる相手がいなかったはずです。

ですが魔法科高校は、すべての生徒が魔法を使える者だけなので、共通の疑問や悩みを持っていることから、話が弾みやすく、結果、友人を作りやすい環境であったと思われます。

そのこともあり、入学早々にほのかと雫と言う魔法の才能だけでない、いろいろと雑談できる友人ができたことは、それまでの深雪の人生とは比べられないくらいに嬉しいことだったのは、納得できることだと思います。

そういうやり取りをしていると、ふいに「司波くん」と声がかかります。

達也と美雪は兄妹なので当然同じ苗字ですから区別のために、兄の達也は「司波くん」と呼ばれ、妹の深雪は「司波さん」と呼ばれることが学校内の暗黙の了解となっていることから、その相手が呼んだのは兄の達也だとわかります。

(補足:友人たちは、ふたりを下の名前である『達也』、『深雪』と呼び捨てです)

そこにいるのは二年生の二科生で剣道部員の壬生紗耶香(みぶ さやか)でした。

紗耶香は『新入生勧誘週間』の闘技場での魔法不正使用事件の被害者であり、風紀委員の達也がたったひとりで剣術部員たち全員を取り押さえたことで達也が救った相手となります。

紗耶香は闘技場での件のお礼と、それ以外にふたりで話したいことがあるとのことで達也を誘うのでした。

(ここから”優等生”は本篇アニメとは視点が異なる展開となり、深雪視点となります)

【魔法科高校の優等生 第4話「友達」】でのシーン。

この深雪が居合わせた廊下で起きた、達也と紗耶香のシーンの後、その日の夜となり、場所は深雪と達也が暮らす家での場面となります。

深雪は自室で着替えるための服選びをしていますが、心の中がざわざわと揺れ動いています。

たくさん並べている服を手に取っては姿見の前で見比べているのですが、心のざわざわから集中できず意識の多くは紗耶香がどんな用事で達也を誘ってふたりでお茶を飲んだのか、が、ずっと気になっているのです。

そして深雪の妄想シーンが始まり、今日の放課後に、あの後、紗耶香が達也に愛を告白したのではないか、とか、あれほど素敵なお兄さま(注:深雪独断による評価)なら女生徒が心惹かれるのは当然ではあるし、などあらぬ想像をするなど、学年主席でクールに見られる深雪とは思えないほど身悶えするポンコツっぷりを見せてくれます。

そこでなぜ服選びをしているの理由が判明します。それは兄を独占したいこと。

「家にいるときは、私だけのお兄さまでいて欲しい……」

これは、かわいらしい嫉妬心と言えるものなのですが、「そのためには、私もお兄さまに相応しい妹にならないと……」、

「でも、……ちょっとだけドキッとさせたい」と、服選びを再開するものの、そもそも焼き餅から来た服選びなので、部屋着としての実用性より見栄え優先になっていることから、理想と現実とのギャップに堂々巡りとなり、あろうことか季節感がまったくない振り袖を着てしまいます。

でも、さすがに振り袖はやり過ぎだと気づいたのですが、あわあわとあわてていることで脱いでいる最中に裾を踏んでしまい、転倒してしまいます。

そこへ深雪の部屋からの予期せぬ大きな音に緊急事態発生ではと判断した達也が、ノックもせずにドアを開けるとそこには振り袖が脱げてあられもない下着姿となった深雪がいました。

そして達也に振り袖を脱ぐ途中で転けた間抜けな格好と下着姿を見られたことで我に返った深雪が羞恥のあまり、悲鳴をあげてしまうと言う展開となりました。

CAD調整のときはいつも平気に下着姿を達也に見せる深雪なのですが、妄想から来た焼き餅が原因で、服選び中に転んでしまって下着姿を見られたのは、さすがにいろいろと恥ずかしかったようです。

この深雪が自室での服選び、そしてその最中でのドジッ子ぶりは、もちろん達也視点の本篇アニメでは登場しませんので、スピンオフ作品ならではの展開となります。

本篇アニメ(入学編第4話)では、『新入生勧誘週間』が終わった同日同時刻の放課後に、達也が深雪と廊下を歩いているときに、達也は壬生紗耶香に声をかけられる展開となり、ここは”優等生”と同じ流れとなります。

ですが、この後からはまったく別のシーンとなります。

そして同日同時刻にこれから起こる出来事の検証と比較のため、本篇アニメの展開を解説いたします。

以下は本篇アニメの説明となりますが、物語の整合性を考慮すると、避けては通れないことから、ご案内したいと思います。

【魔法科高校の劣等生 入学編第4話】

カフェで待っていると言った紗耶香がいなくなると、深雪がなにやら思い詰めた表情になります。

達也は紗耶香の話したい内容とは、部活の勧誘かそこらだろう、と深雪を安心させようとして気休めの言葉を言うのですが、深雪の表情は冴えません。

「本当にそれだけでしょうか?私は違うような気がします。理由はありません。深雪は不安です。お兄さまが名声を博するのは、とても嬉しいことなのですが、お兄さまの本当のお力を、その一端でも知れば、私利私欲に役立てようと群がってくる輩は大勢います。どうかお気をつけください……」と、入学以来、達也が良い意味でも悪い意味でも目立ち始めていることから発生した危惧に、とても心配していることを伝えます。

これはまさに深雪の分析した良くない展開の予言であり、司波兄妹を中心とした避けることはかなわない大きなうねりにふたりが否応なく巻き込まれてしまう暗示になっています。

まさにシリアス展開の本篇アニメならではのシーンです。

その後、本篇アニメでは校内のカフェでのシーンとなり、先に席で待っていた紗耶香のもとに達也が到着する場面となります。

そして紗耶香は『3つ』の件で話をします。

①『新入生勧誘週間』での剣術部の桐原武明(きりはら たけあき)から違法な魔法攻撃を受けた際に達也が助けてくれたことへのお礼。

達也は「あれは仕事でやったことですから」と返答します。

ですがここで紗耶香の口から「――あのくらいのことを問題にしたがる人が多いの。……風紀委員の、自分の点数稼ぎのためにね」との物騒な言葉が出ます。

それに対して達也は「俺もいちおう委員会のメンバーなんで。……すみません」と謝罪をします。

すると紗耶香は瞬時に自分の失言に気がつくのですが、助けてくれた達也がただの通りすがりの助太刀などではなく、風紀委員と言う立場で校則違反者を取り締まった事実に、ふつうであれば忘れることなど、絶対にあり得ません。

そのことからの推測ですが、すでにこの時点で紗耶香は反魔法国際政治団体で実体はテロ組織である『ブランシュ』によって洗脳されており、そのため記憶が混濁していたと考えられます。

またこのシーンでは、風紀委員として仕事をした達也へのお礼の言葉と、その達也が所属する風紀委員会への批判と言う矛盾に気づき、紗耶香は焦り、悶えるのですが、その自分自身の恥ずかしさとすまし顔の達也を比較して、より一層恥ずかしくなり「ねえ、司波くんって苛めっ子なの……?」の名セリフが登場します。

そしてその後に達也に「美少女」と称され、照れ悶えるシーンも見られます。

”優等生”では、紗耶香の「苛めっ子なの?」と言ったセリフや「美少女?」と言われて照れ悶える場面はありません。

これらの紗耶香のセリフは、のちに摩利が達也をからかうために紗耶香を「言葉責め」にしたとの発言につながる重要なシーンでもあります。

そのことから、この本篇アニメのこのシーンを見ていないと「言葉責め」がなんのことかを理解ができなくなる恐れがあります。

②剣道部への勧誘「単刀直入に言います。司波くん、剣道部に入りませんか?」

達也「せっかくですが、お断りします」

紗耶香「理由を聞かせてもらってもいい?」

達也「逆に俺を誘う理由をお訊きしたいです」

と、あっさりと達也に拒否されますが、その後の紗耶香の口から発せられる言葉の数々を考えると、剣道部への誘いは、本題に入るための単なる呼び水であり、紗耶香も達也が本当に入部するとは思っていなかったようで、達也の意思表示に動揺するさまはありません。

③剣道部への勧誘を断った達也に対して紗耶香は「魔法科高校では魔法の成績が最優先される。でも、それだけでぜんぶ決められちゃうのは間違っているとは思わない?」と切り込みます。

紗耶香「――魔法がうまく使えないからって、私の剣まで侮られるのは耐えられない。無視されるのは我慢できない。魔法だけで私のすべてを否定させはしない」と、思い詰めた暗い表情で、決して大きくはない声で、呪いのようにつぶやきます。

この紗耶香の言動ですが、これも先に触れた風紀委員会への不満と同様で、ふだんの紗耶香からは想像できない、誰かを呪詛するような暗い表情と不吉な口調は、おそらく『洗脳』から来る暗黒面だと思えます。

そして、その呪いのような言葉をつぶやたことで意識がどこかに飛んでいっている状態の紗耶香に、達也が「壬生先輩?」と声をかけたことで、ハッと我に返った紗耶香は、これから『非魔法競技系のクラブで連帯し、部活連(会頭は十師族の十文字克人)とは別の組織を作って、学校側に自分たちの考えを伝えるつもり』だと述べます。

「――魔法が私たちのすべてじゃないって。……そのために司波くんにも協力してもらいたいの」

と、この時点でようやく達也は、なぜ紗耶香が自分に接触してきたかを理解します。

そして「考えを学校に伝えて、それからどうするのですか?」と紗耶香に問うことになるのですが、紗耶香はきょとんとした表情になります。

それもそのはずで、その後の方針はまったく考えてありませんし、仲間たちとも話し合っていないこともその顔つきからもわかります。

このあまりにも短絡的な考えで、その先をまったく予測していない稚拙さは、さきほどの『風紀委員であることから助けてくれた達也へのお礼』の言葉と、その『達也が所属している風紀委員会と言う組織への批判』が矛盾していることに気づかない稚拙さと、完全に同じパターンです。

そしてその紗耶香たちが『自分たち二科生を見下す一科生も全員が「悪」』、『一科生だけを評価している部活連も「悪」』、そしてそれらを許している『魔法科高校も「悪」』。

と、それらすべてに『悪』のレッテルを貼り、差別されている存在であるすべての二科生たちは『絶対正義』なのだから、『悪』を打倒しなければならないことだけを金科玉条としたとても危険な思想です。

ですが、そもそも紗耶香を始めとした二科生たちでさえ、一般人には使えない魔法を行使できる魔法師であって、世の中の大多数の人たちから見れば、二科生であっても魔法科高校に入学できた選ばれたエリートとして見られている実態を完全に失念していることになります。

これは、魔法科高校の生徒たちが、学ぶべき魔法を全否定すると言う大きな矛盾となるわけで、そんなことすら気づいていない紗耶香やその同志たちの頭脳の中は、本人の意思とは異なる悪意が刷り込まれていることになります。

まさに、『洗脳』です。

本篇アニメ、カフェでのシーンに戻ります。

紗耶香から非魔法競技系クラブで連帯して部活連とは別の組織の結成して学校側に自分たち二科生の考えを伝えるための仲間になり、協力して欲しいとの要請を受けた達也ですが、「壬生先輩、考えを学校に伝えて、それからどうするんですか?」と尋ねます。

すると紗耶香は、やはり虚を突かれたかのように目を大きく見開き「えっ……?」と反応するだけでした。

一科生、風紀委員会、部活連、そして学校側の打倒だけが「結論」としか頭にないので、その先に対してはノープランだったとは、呆れてしまいますが、『洗脳』されているとわかっていれば、そのとんちんかんは納得はできます。

本篇アニメで、紗耶香がブランシュによって『洗脳』されていたことが判明するのは学校の図書館で千葉エリカに敗れ、その後に運ばれた学校の保健室にてです。

つまり、校内でのテロ事件終了後となります。

紗耶香が言う、風紀委員長の摩利と初めて出会った場面での会話内容が、事実とまったく異なる内容だったことから、摩利は紗耶香が記憶違いしていることを指摘します。

そして本当の会話内容を摩利から説明を受けたことで紗耶香の『洗脳』は解けました。

本篇アニメでは、この保健室のシーンまで紗耶香が洗脳されていることについて触れることはありませんので、紗耶香の思考の矛盾に訝しげに思いながらも、それが『洗脳』されていた結果だからとは気がつかないまま、本篇アニメをご覧になられていた方々も多いと思います。

ですが、”優等生”では第3話でブランシュの日本支部長である司一が義弟で魔法大学付属第一高校、剣道部主将の司甲に、司波達也を仲間に引き入れるために紗耶香をその道具として使う、との話をするシーンが登場しますので、後日の紗耶香が学校のカフェで達也を引き込むための言動が、『洗脳』されたことで行ったブランシュからの命令だと判る設定になっているので親切です。

ですが、”優等生”では本篇アニメとは逆で、この、紗耶香と達也のカフェでのシーンがまるごと割愛されていることから、やはり”優等生”は本篇アニメを見終わってから視聴するの良いと思われます。

そしてスピンオフ作品である「魔法科高校の優等生」第4話「友達」に戻ります。

翌日の昼休み。生徒会室で食事を取る生徒会メンバーである、七草真由美、中条あずさ、司波深雪と、風紀委員会メンバーの渡辺摩利、司波達也の5名のシーンとなります。

風紀委員長の摩利が「……で、達也くん。君が昨日、二年の壬生紗耶香をカフェで言葉責めにしたと言うのは本当なのか?」と爆弾発言があります。

女子一同(深雪を除く)にとって、大好物の恋愛沙汰話なので、その話に歓声を上げて喜ぶのですが、達也は淡々と「濡れ衣です」と回答します。

すると摩利は「おや、そうかい? 壬生が顔を真っ赤にして恥じらっているところを目撃した者がいるんだが……」

これは摩利の冗談で、達也と紗耶香が付き合うなどは毛頭思っていませんが、常日頃、付けいる隙がまったく無い達也を珍しくからかえるのが楽しくて、つい悪ノリしただけで、真由美もあずさもそれはわかっています。

ですが、ただひとり、深雪だけには通じない冗談でした。

「言葉責め……。お兄さま、壬生先輩といったいなにを?」

そう氷の表情で告げた深雪はCADを装着していないにも関わらず、辺りを凍らせてしまいます。

これは深雪ならではの魔法力で、事象干渉力が強すぎることから怒りの感情が高まると自制が効かず周りすべてを氷結させてしまうのです。

つまり、『お兄さま大好き』が強すぎる深雪は、冗談を冗談と受け取れず、嫉妬のあまり暴走したことになります。

真由美はこんな深雪はもう慣れっこなのか、全然驚きません。ですが摩利はさすがにからかいすぎたと謝罪を入れるのです。

我に返った深雪は自分の短慮を恥じ、謝るのでした。

そして深雪を納得させるため、達也が昨日の紗耶香との会話内容を説明します。

「壬生先輩からは、闘技場での一件のお礼を兼ねて話をしたいと誘われましたが、話を聞いた限り、彼女は風紀委員に相当な偏見を持っていますね」
と言うのですが、風紀委員長の摩利にはまったく思い当たる節がありません。

達也「あの件を厳しく取り締まったのは、すべて風紀委員の点数稼ぎのためだと」

摩利「なるほど……。ずいぶん反感を持たれているようだな」

達也「点数稼ぎは誤解だと伝えたのですが、どうも信じてもらえないようで」

達也のこの言葉で生徒会室の空気は重苦しいものとなります。

真由美「現状に不満を持つ生徒にとっては、陰謀があれば気が楽だものね。……例えそれが偽りだとしても」

こう感想を漏らした真由美を見て、深雪は違和感を覚えます。

深雪のモノローグ(気のせいかしら、会長の今の言葉、なにか知っているような……)。

さらに達也の話は続きます。

紗耶香は魔法の成績で区別される学校の体制にも強烈な不満があり、非魔法系のクラブは差別を受けている。

だから連携をして学校側に考えを伝えようとしている現状を報告します。

達也「魔法がすべてではないと……。ただ……」

カフェのシーンに戻り。

達也。「――先輩にひとつ質問があるのですが、考えを学校に伝えて、それからどうするのですか?」

すると紗耶香は「えっ……?」と声を漏らし、戸惑う表情になり、返答に窮します。

この『行動した後ののちの計画』を訊かれ、「えっ……?」と声にするシーンは”優等生”も本篇アニメもまったく同じです。

かなり割愛されてしまっている”優等生”でも、さすがにこの紗耶香の稚拙すぎる『敵』を『打倒』することだけが『結論』で、その先のことはまったく考えていないと言う、常人にはあり得ない思考パターンの違和感を見る側に伝えたかったことがわかります。

生徒会室に戻り、達也の報告は続きます。

達也「――答えを聞くことはできませんでしたが、点数のことと言い、彼女は少し思い込みが激しいようですね」

摩利「……そうだな。思い込みか……、何者かに、そう誘導されているのか」

この摩利のこの仕草、この口調から、深雪は、先ほどなにかを隠している素振りを見せた真由美だけでなく、摩利もまた、同様に隠し事があるのではないかと察します。

深雪のモノローグ(渡辺先輩も言いよどんでいる。生徒会は確実になにか情報を掴んでいる。……中条先輩も知らない振りをしているけど、実は……)

と、深雪は疑心の眼で、あずさを見ます。するとあずさはおいしそうに紅茶を飲んでにっこりと笑顔を見せます。

ここで達也が承知の上で「地雷」を踏みます。

「何者か、と、言うのは、例えばブランシュのような組織でしょうか?」

生徒会室に衝撃が走ります。

真由美は「えっ……?!」と絶句し、摩利は「どうしてそれを?」を真剣な表情で達也に問います。

ですが、この緊迫した場面に、あずさが「……? ぶらんしゅ……???」と、場にそぐわない、おっとりとした口調で尋ねます。

そのことで真由美と摩利は「ああぁぁ……」と、一気に脱力し、がっくしとした落胆した声を漏らします。

ですがそれでもあずさはわからないようで、「ん?」と問う姿勢になります。

小動物のような愛らしさと臆病さを兼ね揃えた中条あずさですが、他人が持つ建前の裏にある本音、出来事の裏側に潜む悪意などを察知する能力はまったく持ち合わせていないようで、あいかわずの純真無垢さを体現しています。

学年主席の成績と言えども思惑のやり取りなどは学業とは別物ですので仕方ないのですが、それを踏まえたとしても、常人には理解不能なニブさを見せるどこまでも正常運転のあずさでした。

そんなあずさの反応を見た深雪は(ご存じなかったっ!!)と心の中で叫ぶのでした。

深雪にしても、あずさの天然ボケがここまでだとは思わなかったようです。

「隠しても、しょうがなさそうね。……確かに我が校は『反魔法国際政治団体ブランシュ』の侵食を受けています」と、真由美は白状します。

それを聞いて深雪は、達也がすでにこの学校に不満を持つ紗耶香やその他の多数の二科生たちの背後で操っている組織が『ブランシュ』だと看破していたにも関わらず、知らされなかったことに、驚きと悲しみを感じます。

ですが、それと同時に、なぜ達也が話してくれなかったのかの理由も理解していました。それは深雪を危険にさらさないためです。

深雪は過去の出来事に思いを馳せます。――それは3年前の出来事でした。

中学一年生であった深雪は母の深夜(みや)と達也の3人で沖縄に旅行に行ったことがあります。

そこで国防軍内の一部が反乱を起こし、深雪が銃で撃たれてしまい瀕死の重傷となってしまいます。

ですが、そこへ駆けつけた達也が『再成魔法』を使ったことで、深雪は命を救われたのでした。

深雪のモノローグ「お兄さま、気がついていた……。この学校の状況も、ご自身を襲った者がブランシュであることも……。でも、あのときは話さなかった……。話してくれなかった……。その理由はきっと私を……。いつだって、お兄さまは私をなによりも大事にしてくださっている……。その結果、自分が傷つくことも厭わずに……」

(★この沖縄での物語については単行本の『魔法科高校の劣等生8 追憶編』が該当します。また『追憶編』のアニメは今冬に放送が決定しております)

達也はいつでも自分を犠牲にしてでも自分を助けてくれる。だが、助けてもらう深雪も、深雪のことになると、いつも自己犠牲を厭わぬ達也を見るのが辛く、申し訳ないと思い続けていることがわかります。

この達也が知らせてくれなかった『ブランシュ』の件で、深雪が驚きと悲しみを感じてのモノローグのセリフは本篇アニメではなかったシーンなので、これは”優等生”のオリジナルの場面となります。

本篇アニメでは、”優等生”同様に生徒会室のシーンとなります。

そこで達也が『ブランシュ』に対する政府や国立の機関でもあるこの魔法科高校のヌルい対応の仕方に対して意見を述べるのですが、なぜか真由美が、会見を開いた政府代表の立場のよう責められていると錯覚してしまったようで、歯切れの良い反論が出来ないでいると、急に達也が「政府が情報規制しているのだから生徒会長の立場では仕方ない」と助け船を出したところ、真由美が頬を赤らめたことで、達也は摩利から『自分で追い込んで、自分でフォローするとは凄腕のジゴロだね』と言われたり、それを聞いて嫉妬した深雪が、自制心を抑えきれずに室内を凍らせようとしたりとお決まりのぐだぐだが楽しめます。

そしてこれ以上の議題はなく、達也は、考えをまとめた紗耶香からの連絡待ち状態なので、この場はお開きになりました。

このシーンも”優等生”では割愛されています。

シリアスな本篇アニメと違い、ゆる~い要素も含む”優等生”ではどう異なるかを見たかった気持ちもありますが、ここは残念ながらカットされました。

追記として、本篇アニメではこの後、夕焼けに染まる他には誰もいない校舎の外で、壬生紗耶香と剣道部主将の司甲(つかさ きのえ)がひっそりと会話している場面になります。

そして『魔法以外の部分(剣道)まで否定されたくない』と言い、それに対して甲が『お前の気持ちは二科生の誰もが思っていることだ。彼(司波達也)の力は絶対に必要なんだ」と応えます。

このシーンの登場で、本篇アニメでは、ようやく紗耶香がブランシュと繋がっているのがわかります。

また、甲が『二科生の「誰も」が思っている』と、どこにも根拠のない見解を述べ、紗耶香の『洗脳』をより強固に植え付けているのでは? と推測できる場面でもあります。

”優等生”では、前話である第3話「少女探偵団、始動よ!」にて、ブランシュ支部長の司一(つかさ はじめ)の口から、紗耶香がすでに洗脳されていることが判明します。

要約しますと、

本篇アニメ → 紗耶香に誘われてカフェで話をした後に、紗耶香がブランシュに属し『洗脳』されていることがわかる。

”優等生” → 紗耶香に誘われてカフェで話をするより前に、ブランシュに所属し、『洗脳』されていることがわかる。

と、なります。

『思想の一致』を第一とするテロ組織では、構成員の『洗脳』は不可欠なことから、紗耶香はすでに支配されているとわかります。

そしてその夜のことです。

自宅リビングのソファで深雪は達也と差し向かいに座っています。

そして達也が大型モニタに『反魔法国際政治団体ブランシュ』の情報を次々と表示させ、その実体を深雪に説明します。

そしてブランシュは、『反魔法主義』を掲げて魔法がまったく使えない者たち、使えはするが弱い魔法の者たちなどに、弱者の味方で魔法力の有無での差別を撤廃する振りをしながら、その実は魔法を禁止させ、その国の国力をそぐために活動している組織で、実力行使も厭わないテロ集団であることが説明されます。

このことで主人公のひとりである深雪だけでなく、見ている側もブランシュと言う組織の実体、目的などがわかるようになっています。

また、深雪や達也の兄妹にとって、絶対に抗えない四葉家の話題も出ます。

この事件で暗躍するブランシュが、これ以上勢力を付けて日本の魔法界に攻撃を続けるようならば、四葉家当主でふたりの叔母でもある四葉真夜(よつば まや)が介入してくるだろうこと、そしてその際には深雪、達也もなんらかの使命を与えられる可能性が高く、今の平穏な暮らしを失ってしまうだろうことも判明します。

余談:このリビングでの場面は本篇アニメでも同日同時刻にほぼ同じ内容のシーンとなっています。ですが、シリアス展開の本篇アニメの方が時間も長く、より詳しい説明となっています。

翌日の放課後。

校門を出る司甲の後をつける美少女トリオがいます。もちろん『少女探偵団』のエイミィ、ほのか、雫です。

エイミィ「我ら3人、生まれた日は違えども」

ほのか「死ぬときはいっしょ」

雫「……いや、違うから」

と、横山光輝さんの名作『三国志』の会話のパロディで登場しますが、この探偵団はこのセリフでもわかるとおり、ずいぶん軽いノリなのがわかります。

そもそも探偵団と言う名前からして、江戸川乱歩さんの名作『少年探偵団』が元ネタとなりますので、ツッコミどころ多すぎて、見ていて楽しい気分にさせてくれます。

探偵団は、すでに甲が達也を襲った実行犯だとわかっているのですが、毎日のように見張っているにも関わらず、また達也を襲うと言ったような行動を起こしてくれないことで、尻尾を掴ませてもらえない状況が続いているのです。

そのことから、校外での行動を尾行することになりました。

雫「……ますますストーカーみたい」

エイミィ、ほのか「違うからっ!!」

と、言った軽いノリで追跡開始です。

探偵団の3人の活動が、学芸会のような軽いノリなのは、甲がただの高校生に過ぎず、大怪我や命を落とすような危険はないだろう、と根拠もなく思い込んでいる希望的観測があるからです。

そして、その3人が連れだって校外に駆け出るところを、通りかかった深雪が目撃しました。

その顔に浮かんでいた表情は『不安』でした。

その後、甲を追う探偵団の美少女トリオは、道の両側が商店街となっている坂道にいました。

ですが、駅から登校しているはずの甲なのに、今日は駅方面ではない方に向かっています。

そのことから、エイミィは「怪しい。これは絶対になにかある」と宣言するのですが、いつもと違う甲の行動に、ほのかと、強がってはいたけど実はほのかと同じく不安をエイミィも感じていました。

そこで雫が「もちろん絶対、安全と言うわけじゃないけど、私たち3人なら……」と、3人で協力すれば甲の相手は大丈夫だと励ましました。

その雫の根拠は『自分たちは魔法師(のタマゴ)だから、3対1なら勝てる』と言う数の論理だったと思います。

それは決して間違ってはいないのですが、いくら将来を嘱望された優秀な魔法師候補だとしても、しょせんはティーンの女子高生たちに過ぎず、オトナたちのずるくて汚い用意周到なやり方を知りません。

それに気づかない探偵団3人は、絶体絶命の危機に陥ります。

一度も振り返りもせずにいきなり薄暗い路地裏へと曲がる甲。

それを追う美少女トリオですが、すでに次の曲がり角到達していた甲は何者かと電話をし、探偵団たち3人をおびき出したことを報告します。

甲を追って、曲がり角を曲がった探偵団3人は、その先は行き止まりになっていることに気づきますが、肝心の甲の姿がありません。

そしてそこへバイクが4台迫ってきました。

そのバイク乗りたちはバイザーを降ろして人相が判らないようにしている不審者です。

不審者たちは3人を取り囲みぐるぐるとバイクを周回させ、完全に包囲しました。

これは美少女トリオを標的にした巧妙な罠でした。

甲は以前から自分が監視されていることを知っており、その件は義兄の一に伝えられていたのは間違いなく、そのことで探偵団3人を排除する作戦を実行したのは当然と思われます。

バイクを降りた不審者たち4人は探偵団3人に向けて迫ります。

ですが、冷静な雫が「ふたりとも、合図をしたら走るよ」と指示を出します。

そして雫の合図で一気に逃げ出す3人。

ですが、追っ手のひとりが追いつい来て、エイミィに手を伸ばします。

するとエイミィは風系統の魔法を発動させて不審者2人を地面に叩きつけ戦闘不能にしました。

「自衛的先制攻撃ってやつだよっ」とご機嫌に言います。

さらにほのかが『光系統魔法』の閃光で目くらましを行ったことで、追っ手の4人すべてが戦闘不能になりました。

エイミィが最初の2人に攻撃するときに「ただの女子高生だと思って舐めないでよねっ」と言ったセリフには意味があります。

それは先ほど雫が言った「私たち3人なら……」の言葉に続くもので、『私たち3人は、魔法科高校の同年代と比べても、かなり上位の成績なのだから、一般人などに絶対に負けることはない』との過信でした。

相手は甲ひとりだけではなく、作戦を練り、連携しながら行動できる大きな組織だとは思ってなかったためでした。

そのことから、相手は自分たち3人が魔法科高校の生徒であることは百も承知で、すでにその対策を抜け目なく行っているとは、夢にも思わなかったと思います。

まして、相手は『反魔法国際政治団体ブランシュ』と言う世界の国々にいくつもの拠点を持つ国際テロ組織です。

そのため甲を始めとした工作員を国立魔法大学付属第一高校内に幾人もの忍ばせていることから、もしかしたらエイミィ、ほのか、雫の得意な魔法属性まで調べ上げている可能性はとても高いと思われます。

つまり、甲側(ブランシュ)の方が確実に一枚上手で、3人は世間知らずの小娘たちだったことになります。

立ち上がれなくなった不審者4人ですが、ブランシュの切り札である『キャストジャミング』を使用してきました。

『キャストジャミング』は『アンティナイト』と言う希少な鉱石を材料としている魔法使用を不可にする無系統魔法です(ブランシュの構成員たちが使っているのは指輪型)。

無意味な想子波を全方位に流し、魔法発動を阻害します。ジャミングと言う名前がついていることから無線通信を無効にする妨害電波と同じ効果があると思えます。

その上、『アンティナイト』は、国際的な軍事物資とされていることから、一般人にはまず入手が不可能なものなのですが、世界中に拠点があるテロ組織のブランシュならば、割と安易に仕入れることが可能だと思われます。

『キャストジャミング』の攻撃を受けたエイミィ、ほのか、雫の3人は身動きが取れなくなるだけでなく、頭が割れそうな痛みもともない、もはやなにもできません。

探偵団の3人は、戦っている相手がテロ組織『ブランシュ』であることも、魔法師殺しの『キャストジャミング』のことも知らなかったことから、なにがどうなって、こうなったかもわからずに、絶望感に包まれているだろうことは容易に想像できます。

その場から動けない3人に、不審者4人が迫ります。そして、大型のサバイバルナイフを出して殺害しようとします。

ブランシュ支部長の司一の考えであれば、3人とも魔法科高校の一科生で成績上位のエリートである上に美少女たちですので、使い道が多々あることから、連れ去って洗脳して工作員に仕上げて学校に戻す、と、言った有効活用をしそうなものですが、この不審者4人は、ブランシュの思想の建前である『魔法師排除』だけしか知らない末端の非魔法師に過ぎず、その実、組織は強力な戦力として有能な魔法師が常に必要とされている裏事情は知らされていないようです。

「――この世界に魔法使いは必要ない!!」と言葉を発し、サバイバルナイフを振り上げます。

「当校の生徒から、離れなさい」

澄んだ声ではありますが、冷たさを含む声が淡々と聞こえます。

そしてその瞬間にサバイバルナイフは凍結して砕け落ちました。もちろんこの声と魔法は深雪です。

深雪には達也のような探査魔法が使えないことから、距離を取って3人をそっと尾行していたようです。

さいわいに探偵団3人が歩きで移動していたことから、それを追うのは難しくありません。

やがて姿を現した深雪ですが、少しうつむき加減なので前髪に隠れた表情は窺い知れません。

そして手にはCADが握られていたことで、深雪はこのキャストジャミングの影響下にも関わらず、魔法を発動させていたことになります。

そのことに気がつき、恐れおののく不審者たち4人ですが、すぐにジャミングの出力を上げて深雪の動きを止めようと企みます……。

「無駄です。非魔法師のキャストジャミングなど、通用しません」と、氷の目つきと抑揚のない淡々とした声で、そう告げました。

ここまで不機嫌な深雪の顔は見たことありませんので、超絶な激オコ状態と思われます。

不審者4人たちは、深雪の動きを止められないことに困惑し、さらにキャストジャミングを追加します。

ですが、深雪の宣言どおりに不審者4人のキャストジャミングは、なんの効果も発揮せず、逆に深雪が放った移動系魔法で宙に飛ばされ落下し、敗北しました。

本篇アニメでも、ブランシュ構成員がキャストジャミングを使用したシーンがあります。

そのひとつはテロリストたちが学校を襲い、主目標である図書館に収められた魔法の機密文書にアクセスできる特別閲覧室が占拠されたときになります。

その部屋に、達也と美雪が乗り込むのですが、そこに居合わせた紗耶香が先輩テロリストに命じられて、キャストジャミングを発動させました。

結果、最強かつ、いろいろなチート持ちの達也にはまったく通じませんでしたが、深雪は顔をしかめ、ちょっと苦しそうな表情になりました。

そのことから考察すると、魔法科高校の生徒である紗耶香は魔法力に劣るとされる二科生ではありますが、それでも間違いなく魔法師ですので、深雪に影響を与えることができます。

ですが、不審者4人たちは魔法力のない一般人なので、キャストジャミングを受けても「非魔法師のキャストジャミングなど、通用しません」と言ったのは強がりでもなんでもない事実のようです。

深雪に飛ばされた不審者たちは地面に高所からの落下させられたことで戦闘不能に陥りました。

そして「もう、大丈夫よ」と優しい声で倒れていたほのかに手を差し伸べた深雪の笑顔は慈愛に満ちています。

そして、エイミィ、ほのか、雫に、この行動の理由を問いました。

エイミィ「私たち、深雪のお兄さんが誰かに襲われるのを見て……。深雪に話したら不安にさせてしまうと思って、だから、私たちで犯人を捕まえようとしたんだけど……」

深雪には予期せぬ思ってもみなかった感激の言葉でした。

「――ありがとう。お兄さまのために……。あなたたちと友達になれて、本当に良かった……」

深雪は心の奥底からの感謝と笑顔を見せました。

今まで友人らしい友人がいなかった深雪ですが、3人と仲良くなれただけでなく、敬愛するお兄さまを深雪と同じように心配してくれる3人の優しさが、この上なく嬉しかったのがわかるシーンで、このシーンこそ、今回の第4話「友達」のテーマだったのだとわかります。

魔法科高校へ入学するまで、友人らしい友人を持てなかった深雪です。

中学校までは魔法の教育に特化した学校がないため、大多数を占める魔法が使えない一般生徒たちと過ごして来たことで、時には、桁違いの魔法力を持つ深雪の力の一端を見てしまったクラスメイトたちから、気味悪がれ、避けられていたことが何度もあったのかもしれません。

ですが、目の前の『友達』は、そんな深雪にお礼を言ってくれます。

このことは、深雪が深く望んでいた健やかに過ごせる環境を、ようやく手に入れた嬉しさも多分に含まれていたに違いありません。

その後、探偵団3人は商店街を歩いています。

そして当然のように深雪の強さが話題になります。そこでほのかが、深雪は事象干渉力が桁違いと賞賛します。

そこで、考え顔の雫が「本当にすごかった。……十師族並みに」と、誰にも聞こえぬひとり言をつぶやきます。

無口で無表情の雫ですが、その分、実はかなりの観察眼を持っていますので、深雪のあまりの強さ、そしてその兄である達也の桁外れの強さに、なぜ、司波兄妹は十師族に劣らぬ魔法力を持っているのか? と、疑問を抱いたことで、そこにはなにかが隠されていると、感じたのだと思われます。

ここで雫がもう少し、がんばって思考すれば、《十師族じゃないのに十師族並みの魔法ではなく → 十師族並みの魔法ならば、実は十師族では? 》と考えを正反対にし、更に思考を柔軟にして《司波 → しば → 四葉(しば) → 四葉(よつば)》に到達できれば司波兄妹の正体に気づけたかもしれません。

そしてひとり現場に残っていた深雪の路地裏のシーンとなります。

そこにはロープで縛られた不審者4人と、深雪が呼んだ九重寺の住職の九重八雲がいました。

不審者たちは殺人未遂犯なので、警察を呼ぶのが正しいのですが、そうすると魔法科高校までもが捜索対象となってしまうことから、信用できる上に、強力な魔法師でもある八雲に頼ったのだと思われます。

そして八雲としても、体術の教え子である達也の妹としての深雪をよく知っている上に、深雪の美しさ、かわいらしさを愛でていることから、この場に来て、深雪の手助けをすることを快諾したのだと思われます。

そして八雲は、不審者4人を警察に引き渡す前に尋問する予定であることを告げます。

それに対して深雪は、あまりにも察しが良い八雲に呆れた感じの顔で「……先生は、なにもかもお見通しなのですね」と返事をしました。

そこに意識が戻った不審者のひとりが、魔法師である深雪を「化け物」と罵倒するのですが、「あらあら、ずいぶんと強気なんですね。いいのですか? こんな化け物相手にそんな口をきいて」と、返答した深雪は自分の背後に黒いモヤのようなオーラを発生させるのですが、それを見た不審者たちは完全に怯えきってしまいました。

そのときの深雪の顔は決して勝ち誇った顔ではなく、けっきょくいつも、人外の異形扱いされてしまうことへの悔しさを内に隠した様子を感じさせ、口調も脅すと言うより、自嘲気味で抑えた声と言う印象です。

八雲「少し効き過ぎのようだね。……精神干渉系の魔法は得意だったはずだけど?」

深雪「練習する機会がありませんので、加減を間違えてしまいました」

深雪はちょっと恥ずかしげにうつむきます。

八雲のセリフで深雪が使用した魔法が精神干渉系だと明かされました。

そのことから不審者4人が怯えきった魔法の効果は『威圧』、もしくは『殺気』なようなモノではなかったかと推測できます。

そして深雪の名セリフが登場します。

八雲「後は僕に任せておきなさい。こう言ったことはきれい事ではすまないからね」

深雪「――元より自分だけが無垢でいるつもりはありません」

淡々と答えた深雪のこのセリフには、達也と学校が狙われただけではなく、自分の友人たちの命も狙った『テロ組織ブランシュ』を、絶対に許さないとの決意表明に思えます。

そして深雪はさらに『忍び』を自称し、驚異的な情報収集力を持つ八雲にお願いをします。

それは、達也を狙った魔法科高校の剣道部主将である司甲の身辺調査を依頼するのでした。

これらの探偵団3人による甲の尾行、不審者4人による襲撃、深雪の参戦、そして八雲の登場となるシーンは”優等生”オリジナルのシーンで、本篇アニメではまったく登場しません。

そして、甲の情報調査に関してですが、もちろん本篇アニメでも、そのシーンはあります(本篇アニメ 入学編第5話)。

ある日、学校の廊下で柴田美月(しばた みづき)が、男子生徒にしつこく勧誘されているのを見かねた達也が、間に入り、男子生徒は去って行くのですが、その人物が以前に達也に魔法攻撃を仕掛けた男子生徒と同一人物であることがわかり、そして司甲と言う名前までわかります。

そして、司甲の身辺調査を依頼するつもりで、九重寺の九重八雲のもとへと深雪とともに訪れるのですが、八雲はすでに甲のことを調べ終えていたことがわかります。さすが『忍び』です。

そして追記として、この司甲の情報のシーンで、本篇アニメでも、”優等生”でも、共に八雲が口にする印象的なセリフがあります。

それは司波兄妹についてです。

本篇アニメ「調べようとしたけどねえ、そのときはわからなかった。君たちに関する情報操作は完璧だ。さすが……、と、言うべきだろうね」

”優等生”「――僕は『忍び』だからねえ……。と、言いたいところだけど、そうでもないさ。君たち兄妹のことはどれだけ調べても、わからないからねえ……」と、言葉の選び方は異なっていても、どちらも司波兄妹に関する情報は、情報収集のスペシャリストである九重八雲でも突き止めることはできなかったと言う内容は一致しています。

そして、どちらも含みがあるような口ぶりです。

これらの八雲のセリフには、「調べられなかったけど、憶測はつくよ」と言いたげなのを感じ取れます。

それは、深雪も達也もともに十師族。そしてその中でもとりわけ情報管理が厳重な四葉家の一族と、思っているだろうとのことです。

八雲のことなので、司波兄妹が四葉家ではないかと見当を付けたときに、四葉家を構成する一族すべての情報を片っ端から探ったと思います。

そして、そのすべてがアクセス不能だったり、ダミー情報だったりしたことで、消去法から、司波兄妹は四葉家の人間ではないかとほぼ確信しているのだと考えられます。

そして場面はブランシュのアジトとなります。

そこには支部長の一と義弟の甲がいました。一は少女探偵団3人への刺客として送った不審者4人が戻らないことを知りますが、その安否に気にかける様子はまったくありません。そのことから末端の構成員は、いつもで使い捨ての駒にしていることが推測できます。

そして、これまでの甲のいくつもの失敗に懲りたのか、「第一高校の同志に決起を促す」と宣言するのでした。

そして2095年4月21日。

魔法科高校に潜入していた二科生の構成員たちが『有志同盟』を名乗り行動を起こします。

その方法は本篇アニメと同じで放送室を占拠し、”二科生たちが差別されている”との旨と、その”撤廃”を生徒会に要求する内容の校内放送を全校に流しました。

それを聞いたことで、二科生の中では『有志同盟』に賛同しそうな態度を示す生徒たちも現れます。

そして生徒会長の真由美は、「こんなやり方は間違っている。……これでは、この学校は変えられない」と、憂えた言葉をもらしました。

これが「正真正銘、二科生たちだけで立ち上げた同盟」であれば、その真由美のその憂いは正しいのですが、この時点では『有志同盟』が丸ごとぜんぶブランシュの構成員だとは、わかっていませんので、真由美の他人を思いやる優しさこそ伝わりますが、その憂いは杞憂となってしまうのでした。

『洗脳された二科生たちだけで構成された「有志同盟」』を背後で操るブランシュが真に望んでいるのは、二科生たちの差別撤廃などでは決してなく、校内にある魔法に関する機密情報の奪取と、テロ行為成功で伝播する校内及び社会の混乱とブランシュの知名度の向上、そして魔法協会や魔法大学などの魔法を取り扱う日本の公的機関の信用失墜ですので、使い捨ての駒である『有志同盟』の差別撤廃など、まったく眼中にありません。

ですが、生徒会側が話し合いに応じるとの判断をしたことから、『有志同盟』が目論んだ公開討論会は開催されることになりました。

そして、場面は九重寺となり、八雲と深雪と達也の3人が寺の縁側にいます。話は深雪から依頼された司甲に関する調査結果でした。

それは甲の義兄である一がブランシュ日本支部長であること、そして一の意思によって甲が第一高校に入学したこと、そして『有志同盟』とは一に命じられて甲が結成したブランシュ構成員たちであることが判明しました。

2095年4月23日。

この日、魔法大学付属第一高校では、有志同盟と生徒会会長の真由美の公開討論会が行われます。

会場となった講堂の中は生徒たちでいっぱいでした。

そして時間になったことで、真由美が壇上の中央に進もうとしたときに深雪にささやきます。

「――深雪さん、私の言葉、聞いててね」と、意味深なセリフを残し去って行きました。

そしてシーンは真由美の演説となり、その中で「禁止されているブルームとウィードと言う差別表現が存在することを厳然たる事実として公式に認め、二科生をウィードと呼び蔑む一科生の存在、そして二科生の中にも自らその蔑称を諦めとともに受容する悲しむべき風潮が存在すること、そして、『この意識の壁』こそが問題であり、この問題を解消したいと考えている」と、述べました。

その発言主旨は一科生、二科生問わず、会場全体からの惜しみない拍手で迎えられました。その歓迎の拍手で自分たちが負けたと理解した壇上で控えている有志同盟たちは、悔しさいっぱいの様子でした。

この真由美の演説シーンですが、もちろん本篇アニメでも存在します。内容も”優等生”と同じなのですが、本篇アニメの方が内容が濃いため、いくつか補足するべきモノがあります。

まず、本篇アニメですが、この討論会でも『有志同盟』からは4人が壇上に上がっていますし、生徒会側も真由美ひとりと言うのは同じです。ですが、”優等生”では、生徒会側がなぜ会長の真由美ひとりだけなのかの説明が割愛されています。

本篇アニメ(入学編第5話)では、この生徒会側がひとりだけと言うのには、きちんとした理由がありました。

朝の登校時。達也と美雪、そして途中から合流した真由美の3人が校門を過ぎた辺りで、達也が真由美に問います。

「――生徒会では、どなたが討論会に参加されるのですか?」

すると真由美が「んふ」と声を漏らし、満面の笑みで振り返ると、自分自身を指さします。

「……まさか、会長おひとりですか?」

「時間が足りないからね。ひとりだったら小さな食い違いから、揚げ足を取られることもないし。……怖いのは印象操作で感情論に持ち込まれることだから」

「ロジカルな論争なら負けることはないと……」

「……それにね。……もしも、あの子たちが、私を言い負かすだけのしっかりとした根拠を持っているのなら、これからの学校運営に、それも取り入れていけばいいだけなのよ」

と、このようなやり取りがあったことで、生徒会側は真由美ひとりで戦うことになったのです。

真由美は明るくて気さくな性格ですが、そういう表向きの人当たりの良さの裏側に、物事をするどく分析できる冷静な知性とそれを大勢相手でも説得できる話術を持っていることから、あえてひとりだけと言う作戦を採った経緯がわかります。

そして、七草真由美と言う登場人物の知能、胆力を見る側が知るシーンになっています。

そして、本篇アニメは演説の内容が、もっとボリュームがあり、もっと詳細になっています。

見応えがあるのは、差別を助長することから呼称を禁止されている「ウィード」と言う言葉を公式の討論会で、しかも現職の生徒会長が口にしたことで、動揺が走る講堂内のシーンは臨場感があります。

それ以外には、現在の生徒会規則では生徒会長以外の生徒会役員(副会長、書記、会計)は一科生生徒からしか指名できないとなっているのを改訂したいと述べました。

この規則は本篇アニメ(入学編第2話)で、深雪が達也を生徒会役員にして欲しいと訴えた際に、生徒会会計の市原鈴音に生徒会規則で一科生以外は役員になれないとの回答しかできなかった件を心に留めていたのだと思われます。

その後でした。

校内に小銃などで武装したテロリストたち多数が侵入してきました。

テロリストたちは広く展開し始めることから、あらかじめどこをどのように狙うかなどを事前に計画してあるようです。

また、服装も統一されていることから、寄せ集めの雑兵ではなく、戦闘訓練を受けている集団だとすぐにわかります。

その中のひとりが校舎を目標にロケットランチャーで狙い、そしてためらいもせずに発射するのでした。


魔法科高校の優等生第4話「友達」の見どころ

1:学校一の美少女など、眼中にありません

『新入生勧誘週間』が終わったある日の放課後となります。

深雪が兄の達也といっしょに廊下を歩いていると、そこに「司波くん」と達也を呼ぶ女性の声がします。

それは二年生の二科生で剣道部に所属する壬生紗耶香で、闘技場での魔法不正使用の件で、達也が助けたポニーテール美少女です。

そして、闘技場での一件のお礼も含めて、話がしたいので付き合ってもらえないかと暗にふたりだけでの会話の場を持ちたいと達也を誘うのです。

このシーンはこの「魔法科高校の優等生」だけでなく、本篇アニメである「魔法科高校の劣等生」でも存在するシーン(魔法科高校の劣等生 入学編第4話)で、内容は同じです。

差別されている二科生の地位向上のため、これから行動を起こそうとしている『有志同盟』に、達也を仲間に引き入れようと接触してきたシーンとなります。

そこで、なのですが、……違和感を覚えます。

その『違和感』は、もうひとり居合わせている登場人物がなにも言わず、なにも訊かれず、に、ただそこにいると言う『違和感』です。

それはもちろん、司波達也の妹で、一科生で、学年主席で、校内一の美少女である司波深雪のことです。

紗耶香は深雪の方を一度も見ません。そして声もかけません。完全にそこにいることを認めないシカト状態なのです。

これは推測するに、ブランシュによって、『洗脳』されている紗耶香には、一科生主席である深雪は、『敵』なので見たり話しかけたりする必要がないと思っているからなのだと推測できますが、もしかしたら、もはや視界にさえ映っていないのかも知れません。

ですが、真剣に達也を勧誘するのであれば、妹の深雪に笑顔で話しかけ、好印象を持ってもらった方が、達也を仲間に引き入れやすくなると思えるのですが、そこはやはりこれが、『洗脳』の限界なのかも知れません。

そして一方の深雪ですが、”優等生”でも本篇アニメでも、紗耶香の顔をじっと見てはいますが、その顔には戸惑いがうかがえます。

深雪もこの時点では紗耶香とブランシュのつながりは知っていませんので、そういう意味での戸惑いではなく、美少女の登場で、兄が盗られるのじゃないかとの警戒の表情だったのかも知れません。

2:「ご存じなかったっ!!」 あずさは今日も平常運転

達也が紗耶香とふたりでカフェで話をした翌日。

生徒会室では達也が真由美、摩利、あずさ、深雪の5人で昼食をとっていました。

そこで、会話は昨日の紗耶香と話した内容となり、紗耶香が、風紀委員、部活連、そして学校すべてが一科生を優遇していると、間違った認識していると伝えたことで、生徒会長と風紀委員長のふたりからの発言がありました。

真由美「現状に不満を持つ生徒にとっては、陰謀があれば気が楽だものね。……例えそれが偽りだとしても」

摩利「……そうだな。思い込みか……、何者かに、そう誘導されているのか」

これらを聞いた深雪は、先輩たちは、なにかを知って隠している、と察します。

そして深雪は、おいしそうに紅茶を飲んでにっこりと笑顔を見せる中条あずさに対しても「知らない振りをしているけど、実は……」と、あずさにも探るような目を向けたのです。

そして達也が摩利が口にした『何者か』と言う言葉に反応して「何者か、と、言うのは、例えばブランシュのような組織でしょうか?」と爆弾発言をします。そのことで生徒会室は緊迫した空気となりました。

真由美は「えっ……?!」と絶句し、摩利は「どうしてそれを?」を真剣な表情で達也に問うのです。

ですが、あずさは特に反応はなく、きょとんとした顔で、「……? ぶらんしゅ……???」と、おっとりとした口調で問うだけでした。

そんなあずさの反応を見て、真由美と摩利は「ああぁぁ……」と、脱力し、落胆した声を漏らするのですが、これはあずさはなにも知らないし気づいてもいないことの証明です。

そして、真由美、摩利だけでなく、あずさも疑っていた深雪だったのですが、このシーンを見て、

――ご存じなかったっ……!!――

と心の声で叫ぶのでした。

あずさは、学年主席の成績である才媛ですが、世間知らずの箱入り娘なのです。

ですから、常人ならば絶対に気づく、察する、探る、空気を読み取ると言った部分の欠如が、ざんねんなのです。

しかしこれがあずさの正常運転なのです。

そして、このシーンでいちばん見ごたえあるのが、あずさに対する予想が外れ、つい身構えてしまった深雪の顔つきと、ツッコミ――ご存じなかったっ……!!――です。

自身も達也のことになるとブラコン・モードに入ってしまい、ツッコミ要素満載のポンコツっぷりを見せてくれるのですが、そんな深雪が誰かにツッコミを入れるのは初めての場面だと思います。


魔法科高校の優等生第4話「友達」のネタバレ感想

1:幻のテロ組織

「魔法科高校の優等生 第4話 友達」では、少女探偵団の危機一髪と、魔法科高校に伸びる反魔法国際政治団体ブランシュの魔の手が主な内容です。そして少女探偵団の3人を殺害しようとしたのもブランシュなので、すべてブランシュに関する話と言えます。

そのブランシュなのですが、”優等生”でも本篇アニメでも、同じく悪の組織として登場します。

しかしそれ以外に本篇アニメ「魔法科高校の劣等生 入学編第4話)では「エガリテ」と言うテロ組織の名前も登場します。

この「エガリテ」とはブランシュの下部組織で、『新入生勧誘週間』で達也を魔法攻撃した人物(司甲)が腕にはめていたリストバンドが「エガリテ」のメンバーを示すモノだったのです。

つまり甲は「エガリテ」の所属で、義兄の司一はブランシュ日本支部長となります。

この設定を変更して「エガリテ」と言う組織が登場しないのが、”優等生”となるのです。

ですが、”優等生”では『有志同盟』が「エガリテ」にほぼ相当するので、「エガリテ」は『有志同盟』に名称変更されただけのかも知れません。

”優等生”では存在しないテロ組織、これが幻の組織「エガリテ」です。

2:なぜかいない、なぜ?

『有志同盟』は反魔法国際政治団体ブランシュ日本支部の下部組織となります。

その、『有志同盟』が決起したときに、いちばん最初に起こした行動が、魔法科高校の放送室を占拠し、自分たちの決起理由である「学内の差別撤廃」を訴えて、他の二科生たちから賛同者を得るためと、生徒会との対等な立場での話の場を求めたことです。

このシーンは、ブランシュに洗脳されている『有志同盟』が動いた最初の場面なので、重要なシーンとなります。

ですが、”優等生”では、その後に捕縛された『有志同盟』メンバーには、モブキャラしかいませんでした。

そして本篇アニメ「魔法科高校の劣等生 入学編第5話」では、この放送室を占拠した『有志同盟』メンバーの中に紗耶香がいます。紗耶香たちは占拠した放送室の鍵をかけてしまったため、誰も中へは入れません。

そこで達也が紗耶香に電話をし、部活連と生徒会が交渉に応じると伝え、紗耶香の自由は保障する、と、言ったことで放送室の扉が開かれる、との展開となります。

そして『有志同盟』と生徒会との決まりで、後日に公開討論会が開かれます。ですが、弁論に長けた真由美の独壇場になり、全校生徒のほとんどから真由美が支持され、『有志同盟』の最初の攻撃は失敗に終わると言う内容です。

ぶっちゃけ申しますと、『有志同盟』で名前が明かされているのは、司甲と壬生紗耶香だけです。

では、最初の決起である占拠事件で、なぜ、”優等生”では、この占拠事件のメンバーから紗耶香を外したのか、なのですが、身も蓋もない話になりますが、尺の問題だと考えられます。

本篇アニメである「魔法科高校の劣等生」の1期は、《入学編》、《九校戦編》、《横浜騒乱編》の3部構成で合計25話となりますが、スピンオフ作品である、この「魔法科高校の優等生」は合計13話となっています。

そのためどうしても本篇アニメに存在する各シーンの割愛を行ったり、ある場面に登場する人物を変更したりを余儀なくされてしまうのは容易に推測できます。

また、この後に登場する”優等生”のオリジナルキャラである一色愛梨(いっしき あいり)たちの活躍を削ることは本末転倒となりますので、苦渋の選択だったと推測されます。


まとめ

●第4話タイトル「友達」は、友達を守る深雪と魔法科第一高校に侵食するテロ組織「ブランシュ」の魔の手です。

中学時代まで友人と言える存在がいなかったのが、主役のひとりである司波深雪です。

その深雪にとって初めてできた友人たちがほのか、雫、エイミィと、達也の同級生である、エリカ、レオ、美月たちでした。

その中で、達也が剣道部主将の司甲に狙われていることを知った、ほのか、雫、エイミィの3人が結成したのが「少女探偵団」なのですが、深雪には理由があって、そのことを内緒にしていました。

そして探偵団が甲を尾行するですが、それが相手の罠であって、テロ組織ブランシュの構成員たちに殺害されそうになってしまうのですが、そこで参戦した深雪が、構成員たちをあっさりと無力化します。

そして、3人は、深雪に隠していた理由(犯人である司甲をずっと追っていた件、深雪が心配するから内緒にした件)を明かすのですが、深雪は、自分だけでなく達也までも心配してくれる心優しい「友達」たちに心から感謝したのでした。

その後、「ブランシュ」は、魔法科第一高校に忍ばせた下部組織である『有志同盟』を決起させ、放送室を占拠して「学内の差別撤廃」を掲げ、生徒会から公開討論会の開催をもぎ取ります。

ですが、『有志同盟』側が4人いても、たったひとりでも生徒会長の七草真由美に弁論で勝てるはずがなく、この手も失敗に終わりました。しかし、このときに武装した「ブランシュ」の実行部隊が第一高校内に多数侵入して来るのでした。

●第4話「友達」の見どころは、【1:学校一の美少女など、眼中にありません】と、【2:「ご存じなかったっ!!」 あずさは今日も平常運転】です。

1:学校一の美少女など、眼中にありません。

スピンオフ作品である「魔法科高校の優等生」でも、本篇アニメである「魔法科高校の劣等生」でも共通する重要なシーンがいくつかあります。その中のひとつが、深雪と達也が廊下を歩いていると、背後から「司波くん」と紗耶香に声をかけられるシーンです。

この紗耶香が達也に声をかけた最初のシーンで、そこにいるのに紗耶香に話しかけられないのが深雪です。そして深雪も紗耶香に声をかけません。
なぜ、そうなのかを考察してみました。

2:「ご存じなかったっ!!」 あずさは今日も平常運転

達也が紗耶香とカフェで話をした翌日、生徒会室で達也が昨日の件を話しているうちに、真由美や摩利の言葉に、なにかを隠しているのを深雪は察知します。

そして、生徒会(風紀委員長の摩利を含む)は、確実になにか情報を掴んでいると推測し、そうなると目の前にいるあずさも当然、そのなにかを知っているのではと思います。

ですが、達也の口から、そのなにかが「ブランシュ」ではないか、との発言があると、真由美と摩利は、それが図星だったことで動揺するのですが、きょとんとしているあずさは、目の前に迫っている危機がまったくわかっていなかったことが判明します。

そして、その真実を知った深雪は、あずさを買い被っていたことを知り、心の中で激しいツッコミをするのです。

深雪のツッコミは珍しいので、この場面は見応えがあります。

●第4話「友達」のネタバレ感想

1:幻のテロ組織
「魔法科高校の優等生」は「魔法科高校の劣等生」のスピンオフ作品であるため、世界観、登場人物、ストーリーのほとんどが同じです。

ですが、細かいところで修正がされていて、本篇アニメでは登場しているテロ組織の名前が”優等生”ではなくなっていました。

なぜ、そのテロ組織の名前がなくなったのかを推測し、ご紹介します。

2:なぜかいない、なぜ?

スピンオフ作品である「魔法科高校の優等生」は本家の「魔法科高校の劣等生」と、同じ世界観、登場人物、ストーリーとなっていますが、ときに本篇アニメで、ある場面で存在していた人物が、”優等生”では存在していないことがあります。

そのひとつが、この第4話「友達」にて、『有志同盟』が占拠した放送室に壬生紗耶香がいなかったことです。

本篇アニメでは、この占拠事件で紗耶香は放送室に他のメンバーたちといっしょでした。

なぜ、こうなったのかを推測いたします。

拙文を最後までお読みくださり、誠にありがとうございました。